毎回登山で楽しみにしているのが、実は登山の後の温泉♨️です。
それは言ってみれば、素晴らしいレストランで美味しい料理をいただいた後のデザートみたいなもの。
つまり欠かせない、ということです。
北海道は素晴らしい温泉が彼方此方にあるから、今回はその辺りも大いに期待していたのですが。
これまでの人生の中でも、指折りの歓びを感じさせてくれた温泉と出会うことができました‼️
それは、山頂で素晴らしい雲海を満喫したものの、その雲海に追いつかれて途中からガッツリと降られ、疲労に加えて冷え切った状態で下山した十勝岳の麓すぐのところにある「吹上露天の湯」です。
下山直後は「今更露天とかもう濡れたく無いし!」などと思ってしまっていた私ですが、そんな私を例によってシゲタカ君が半ば強引に説得して、行ってみると!
ワオ!!ワイルド!!露天風呂とはまさにこのこと。脱衣室、とか洗い場,とか一切ない。ただただ手付かずの自然の中にある、剥き出しの温泉。
因みに混浴です‼️
看板に由来が書かれていて、100年ほど昔のお金持が整備したらしい。
まだ小雨が残る曇天を仰ぎながら熱々の温泉に浸かり、ジワジワと全身がほぐれていくのを味わう。
すぐ横を流れる渓谷のせせらぎ。
雨に濡れてしっとりと光る岩と木々の緑。
据付のコップで掛け流しの温泉をごくりと飲んでみると、空腹の胃にアルカリのお湯が染み渡るよう。
3時間かけて定期的に訪れている、というお年寄りに聞くところによれば、お掃除などのメンテナンスは常連さんたちによって為されているそう。
因みに後日、山で出会った人が、この温泉の横でテント張って宿泊した,とのことでしたが、夜ともなれば、明かりもないから漆黒の闇の中の温泉となるわけであり、それもまた何か獣との混浴もアリなわけで。。。怖すぎて私にはとっても無理です。
これまで体験してきた、贅沢な設備や、ライトアップに湯煙が漂うムードたっぷりの露天風呂も大好きですが、この吹上露天の湯は、まさに何も無い。何も無いのだけれど、身体と心が満たされるものが全てある,とも言える。
無いようで在るし、在るようで無い、というマトリックスの世界のようなどうでもいい話ですが。
翌日,富良野にある「北の国から」という1980年代から20年かけて撮影された、伝説的テレビドラマの舞台となった主人公一家の住まい「ゴローの家」を訪れた際にさらに感慨深く、そんなことについて思いを馳せた次第ですが,それはまた次回。