北海道といえば、やはりご当地もの、特に北海道ならではの生き物との出会いは楽しいですね。
移動初日に出会えたのはキタキツネ。キタキツネといえば昔観た映画「キタキツネ物語」。ゴダイゴと町田義人の素晴らしい楽曲が流れる、心に響いた動物映画でした。
そしてナキウサギ。オコジョ。天敵不在により結果的に増えたエゾシカ。そしてヒグマ。尤も,これは動物園で,ですが💦。実際に山で出逢ってたら、この文章は存在しないかも知れないわけで。
そして!!なんと言っても今回初めて出会った「ゴロー!」
これまで「北の国から」というドラマの存在しか知りませんでしたが、移動中に訪れた富良野にある「ゴローの家」。80年代から20年間、国民的人気となったドラマの舞台となった家ですが!これが凄かった!!
黒板五郎というドラマの主人公のキャラクターやそこでの暮らしぶりを、1話たりとも見ていない私でもイメージできるほどまでに創り込まれたその世界観。
実際にドラマで使われた、世界観を特徴づけるセリフが壁の随所にPOPのように展示されており。
僕はそれらを只ひたすら無心に目で追っていくしかなかったわけで。
みたいな。胸に残る特徴的なセリフの数々。
家の隣にひっそりとお墓が造られていて、額縁で飾られた五郎を演じた田中邦衛の遺影の前には、沢山の献花が。それら献花の存在が、実際に存在しなくても、ドラマのファンにとってはあの五郎という存在は確かに生きて、何某か影響を与えたのだと気付かせました。
これはもう帰ったら見るっきゃない!!と決めた次第です。
因みに、気になってドラマを生み出した脚本家の倉本聰氏をググって見たら、戦時中の東京山手生まれで,疎開生活も経験されており、東大卒のテレビマン,という経歴でした。
70年代に富良野に移住され、その数年後に「北の国から」がスタート。
その経歴を読むほどに、倉本氏自身の経験がこの稀有なドラマを生み出したことにすぐに得心がいきました。
実態として存在しなくても、存在を証明できなくても、確かにある、というもの。
倉本聰,という氏の名前もペンネームで、存在しないけれど確かに彼は存在する。
何が言いたいか,というと。
「コンタクト」というSF映画にもありました。亡くなった父親を大好きだった不可知論者の主人公の女性に神学者が尋ねます。「君の父親への愛を証明できますか?」
目には見えないけれど,確かに存在するものがある。
この紀行文からも、山の存在がどんどん消えてしまっていくが、そこに確かに山は存在する。はず。