神々が遊ぶ庭(カムイミンタラ)と題して書き始めた、北海道登山の紀行文(?)シリーズその②準備〜山を舐めたらいかんぜよ!!編です。
行き先は「大雪山」と決まりました。有名どころです。
ググってみると、
大正時代の大町桂月という登山家が紀行文の中で「富士山に登って、山岳の高さを語れ。大雪山に登って、山岳の大さを語れ。」と大雪山系の奥深さを世に知らしめた。
とあります。なんとも痺れる詩じゃあーりませんか♪
一緒に行く竹内シゲタカ君は、同級生とはいうものの「登山ガイド」の資格も取得している知識,経験,体力いずれも突出している鉄人です。その安心感もあって、毎度のことながらコース内容など全て彼にお任せ。
今回も事前リクエストで「テント泊は熊が怖いから勘弁」とだけ伝え、登山ルートはもとより,どこに泊まるか?食事はどうするか?航空券や現地で乗るレンタカーの手配など、全てを彼がコーディネーターとして準備してくれました。
竹内シゲタカ君についてはこちら
↓
https://www.mt-compass.com/mypage_profile.php?id=120712
準備編,とか言いながら、私はなんとも気楽に登山に向けて必要な装備を揃えるだけです。
現地でも入手可能なものと事前に準備が必要なものは何か。どんな装備が、どれくらい必要か。
シゲタカ君にも訊きつつ、山のお店に行って見るのもプロセスを楽しむ、の1つです。
下界では茹だるような真夏でも、山は別世界。天気や体力によっては瞬間で命をリスクに晒します。
ましてや緯度の高い北海道の山。標高2290メートルは、本州なら3000メートル級の北アルプスの山に匹敵します。
下界の感覚(それもぬくぬくと快適さに慣れきった)にどっぷりと浸りながら、山(それも悪天候も考慮して)の準備をするのは想像力を発揮させる必要があります。
気分を盛り上げるためにまず「山と高原地図 大雪山」を買いました。地図を眺めつつ、子供の頃の遠足リストを思い出しワクワクしながら持ち物リストを作成していくのもいいものですね!
今回、準備の目玉は、これまでにかなり使い古したGORE-TEXのカッパを、雨もまた良し,の気分で山歩きを楽しめるように刷新!!
リスクに対する保険として「ココヘリ」も加入!遭難などいざという時にヘリが配布されたGPS機器を頼りに居場所を捜索してくれ、救助費用も補填してくれるサービスです。
ヒグマ対策の基本はやはり笛と鈴。音色を聴き比べて、より響きが遠くへと拡散されそうな高い波長っぽいものを選択。スプレーは飛行機でアウトなので現地で入手予定です。
これまで全く必要性を感じたことのないツエルト(いざという時に身体を包む1人用のシート)も念の為に準備。
備えあれば憂なし!!ですから。
そして!なんとこのツエルトが文字通り山で「備えあれば憂なし!」を発揮したのです!!
遭難とかのレベルでは全然なく。雨が降り出した十勝岳で意気揚々とザックを開き、新品のレインウェアを探すも、どれだけ探しても見つからず!!何故か自宅に忘れたことが判明。今回、何気に雨天すらも楽しみにしていたおニューのレインウェア!嗚呼、何たること!!
その時。あるべきレインウェアが見つからず、ショックで半ば呆然としている私にシゲタカ君が「ツエルトを被れば良いじゃん!」と一言。念の為に,とザックに放り込んでおいたツエルトが、ずぶ濡れ→低体温症のリスクから私を見事に守ってくれたのです!!
その後、モーレツな雨からの一時逃避に入った緊急避難小屋で、冷えた身体を温めるためにシゲタカ君がコーヒーを淹れてくれたのですが!!
今度はなんといつも登山で持ち歩くアルミのカップがない!!
いつも当たり前にザックに準備する道具を、持ち物リストで「山道具一式」と纏めたのが原因なのでしょーか??
嗚呼、何たること!!!
これも結果的に、たまたま紙コップが1つあったので助かりました。
と、まあ持ち物リストまで作って万全の準備をしてきたつもりですが、それでも。
人間のやることにはミスがあるものだ、と。
そして極め付けは。
携帯するだけで安心しきってたヒグマ対策スプレー。
最後の山のピーク手前で出会った山小屋のお兄さんが、僕の胸ポケットから頭の部分が飛び出ているスプレーを見て一言。
「それ、ロックするテープ切っておかないと,いざという時使えないよ。」
ひゃあ。
仕様説明は読んでおきましょう(爆)。
今回はこの辺りで。③へ続きます。